2013年に観に行った展示 vol.2

続きです。

 

4.歌川広重「月に雁」―花鳥風月の美(太田記念美術館、2013.9.18)

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 ヤバいぐらい記憶がない。メモを見返すと

「掃き掃除 してから落る 椿かな 歌川広重
「時鳥」
とだけ書かれていた。上は普通に気に入った絵にあった俳句で、下はたぶん読めなかったから後で調べようとか思ったんだろう。馬鹿だな。
(と言いつつ今調べた。ホトトギスだった)
滋味深い作品ばかりだったな。

 

 

5.笑う浮世絵 ―戯画と国芳一門(太田記念美術館、2013.10.13)

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戯画、 風刺画、判じ絵(絵なぞなぞ)など、可笑しみのある作品展。
イデア自体やそれを表現できる画力などを総合してやっぱり歌川国芳の土壇場だったけど、広重とかもいろいろ描いていたっぽい。
華美なものに規制がかかっていた江戸時代を上手く切り抜き、大衆を味方につけた絵師たちの試行錯誤感も感じ取れて面白かった。

 

国芳の作品に「荷宝蔵壁のむだ書」という、一見どっかの壁のラクガキをそのまま写し取ったように見える作品がある。
それは役者の似顔絵をデフォルメしたもので、ちゃんとした絵画にはこんな風にふざけて描くなんて許されない。でもこれは”ある個人”が書いたたわいもないラクガキなんだから別にいいよね――という体で描かれている。
そして大衆はそれをそういうストーリーとしてメタ視点で楽しく見ることができる。たぶん国芳はそこの反応まで意図して描いたのだと思う。
浮世絵というものが大衆文化として浸透していたことの証明になる作品なんじゃないかなと思った。そして絵師もある種の計算のような、浮世絵が廃れないためのさまざまな工夫を試みていたことの。

 

 

 6.スヌーピー展(森アーツセンターギャラリー、2013.11.29) 

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浮世絵以外の展示も観に行こう第二弾。
スヌーピーの哲学が、というより谷川俊太郎の訳が好きで、漫画を買うために行った。
スヌーピーや彼を取り巻く登場人物たちの変遷と、作者の私生活と、それが作品に及ぼす影響などを読み取れるような流れの展示だった。
漫画二冊とマグカップを買いました。

 

 

2013年で書き留めていなかったのはこれで以上です。
書いてて毎回思うんだけど、感想、解説文の受け売りになってしまうのがイヤだなあ+見ているその瞬間瞬間ではそんなに難しいこと考えられないから、今このブログを書くときになってはじめて頭を整理する必要がある=時間が経つと細かい感想を忘れてしまってそれを隠して取り繕ったような文章になってしまう。あんまり素直な感想とは言えない。つらい。
まあ感想はすぐメモしておくことでそれを避けることができるんだから、芸術に関して無知なのは自覚しつつ、ちびちび審美眼を鍛えていきましょう…。

美術館は楽しい。2014年もいろいろ観に行こう。