月岡芳年 - 太田記念美術館

月岡芳年歌川国芳の弟子です。


前に猫百景を観に行った時、国芳の弟子の中では月岡がいちばん師匠に近い画風だなとか思った気がしたんですが、今回観てみたらそうでもないのかもーって思いました。
色調がより淡めで暗めっていうか。


戦の後、自分で切腹して内臓を掴んで天井に向かって投げる武士の姿を描いた絵があった。むごい。
そういう「血みどろ絵」が有名らしいのですが、自分の趣味嗜好で描いたというよりは、当時の世間(幕末)がちょっと過激なものを求める傾向にあったからそれに合わせた〜みたいな説明がありました。
と同時に、月岡芳年は写実さを意識していて血の部分に光沢出すなどの工夫をしてたので、むごさがより強調されて、それで人気が上がったとか。


女性画も多く、芸者さんの一日を切り取った「新柳二十四時」シリーズとか、生活風俗を紹介する「風俗三十二相」とか、いろいろあります。どれも女の人がばばーんと大きく描かれてます。案外表情豊かです。瑞瑞しかったり生々しかったりします。
あと肌がきれい。本当に。


それから歴史画。
国芳はフキダシ使ったりして漫画っぽいところがあって、月岡もその影響か分からないですけど、集中線とか使ってました。
しかも神武天皇に。神々し過ぎワロタ

新聞の絵も担当することになったり、幕末〜明治のゴタゴタした時期で、浮世絵がジャーナリズム的な役目も担うことになったようで。
(ちなみにその頃、例えば10月に起こった出来事が翌年になって新聞になってたんで、制作するのに最低2ヶ月はかかる…はず)
その頃流入してきた西洋画の技術を見習いながらも、あくまで"浮世絵"を描き続けたことから、「最後の浮世絵師」と呼ばれるようになったそうです。


変わった構図のものがたくさんあって面白いです。
下絵も展示されています。本当に漫画を見ている気分になった。

背景が夜のものが何点かあります。良い感じです。


月岡芳年 - Wikipedia


メモとかブログに書いたものを後になって読み返してみると、「面白かった」「驚いた」「ワロタ」とか、小学生の感想文みたいなことしか書いてない。
展示の解説やWikipediaを読まないと絵の意図がわからなかったということがたくさんあるんで、マジで審美眼の欠片も無いなって思うんですが、じーっと眺めているだけでも楽しいもんは楽しいです。
自分の知識や語彙力の無さに呆れまくってるけど、懲りずに観に行き続けたいです。