幕末・明治の美女たち - 太田記念美術館

2月の展示に行きました。

明治維新前後の、新しい文化がどんどん入ってきてごちゃごちゃしてる時期に描かれた絵など。
ほぼ歌川豊国と揚州周延だった。


テーマ通り女性画オンリーなので、服装が見応えありました。
洋装は柄も色もそこそこ派手、髪に花飾りを付けるのが流行ったっぽい。

建物はものすごく派手、学習院開校の絵なんか絨毯は真紅、そこに来た女性たちの服も真紅で目が痛かった。
ギリシャ彫刻みたいな施しのある建物もあった。
ただたまに、部屋の中の家具はほとんど洋物なのに奥に屏風があるところもあったりした。
幕末あたりはなんだか目まぐるしくてゴテゴテしているというか、わちゃわちゃしてるなという印象を受けた。
学習院の他にも鹿鳴館とか管弦楽団を描いたりしている揚州周延の絵を観て、こういう複雑な模様を描いたり刷ったりするのって相当気合い入れないと大変だろうなと思った。我ながら雑な感想である。


洋風の女性やモノを観るのは楽しいけど、新しい着物を買おうとしていろいろ見比べている着物好きな人とか、湯治に来てお酒を徳利とお猪口で飲んでる湯治好きな人とか(歌川豊国『二五五四好今様美人』シリーズ)を観るほうが個人的に好きだなと思った。
なんでだろうな。モノが複雑じゃなくて少ないからかな。

尾形月耕という絵師の絵はメインの対象物にだけピントが合ってて、それ以外のものはほとんどぼやかして描いてるのがなんだか不思議だなと思った。
極端すぎる感じがしたけど、構図とか狙って描いてるんだろうな。
まだそういう絵の良さがわかる人間じゃないんだ自分は。難しい。


モダンな明治時代の様子を写すのは、浮世絵にあんまり合わないんじゃないかってちょっと思ってしまった。
浮世絵は色が強く出て、背景がシンプルなほうが個人的に好きなので、きらびやかな洋風の世界を描くと、目がちかちかしてじっくり見れないというか…。
完全に自分の好みの話だけど。

来月の展示は江戸のグルメ特集だって〜。
月岡芳年が描いた、海老天ぷら食べてる女の人の絵は展示されるかなぁと思ってたら、告知ポスターやHPに思いっきり紹介されててやっぱりなと思いました。嬉しいです。


この展示で自分の絵の好みが分かってきて、なんだか嬉しいような残念なような。